看板作成の流れをわかりやすく解説|問い合わせから施工まで

「看板を作りたいんですけど、まず何をすればいいですか?」

初めて看板を作る人なら、分からなくて当然だと思います。

看板屋に問い合わせたあと、どんなふうに話が進むのか。

いつ現地を見るのか。

いつ見積もりが出るのか。

デザインはいつ決めるのか。

そして、いつ製作や施工に入るのか。

看板なんて、そう何度も作るものではありませんからね。

一般的な看板作成は、

問い合わせ
↓
ヒアリング
↓
現地調査・打ち合わせ
↓
提案・見積もり
↓
正式発注
↓
デザイン
↓
校了
↓
製作
↓
施工

という流れで進みます。

ただし、これはあくまで一つの流れです。

作りたい看板が最初から決まっている場合もあります。

逆に、まだ何を作ればいいのか分からず、

「まず相談したい」

というところから始まることもあります。

また、看板の種類や依頼内容によっては現地調査が必要ないこともありますし、デザインだけで完結する仕事もあります。

今回は、看板作成が実際にどんなふうに進んでいくのか、私が現在進めている案件を例にしながら書いてみます。

まだ完成していない案件です。

この記事を書いている現在は、これから提案をするところです。

だから今回は、完成事例ではありません。

相談をいただいてから、実際にどんなことを考え、どんな順番で仕事を進めているのか。

その途中経過も含めて書いてみようと思います。

今回の問い合わせは、とてもシンプルだった

ホームページからいただくお問い合わせは、さまざまです。

作りたい看板の種類が、かなり具体的に決まっていることもあります。

設置したい場所や大きさ、希望する内容などを詳しく書いてくださる方もいます。

一方で、

「看板について相談したい」

というところから始まることもあります。

今回のお問い合わせは、後者でした。

内容はとてもシンプルで、

「看板について相談したい」

だいたい、そんな感じです。

私はお問い合わせをいただいたあと、

「よろしければ、一度ZOOMでお話をお伺いできればと思います」

と返信しました。

そして、まず話を聞くことにしました。

 

最初に聞いたのは、お客様の事業について

ZOOMで、まず聞いたのはお客様の事業についてでした。

何をしている会社なのか。

今回、なぜ看板の相談をいただいたのか。

話を聞いていくと、移転に伴う看板の相談だということが分かりました。

今回の場合は、まだ具体的な看板の形を決める前の段階でした。

だからまず、お客様のことを知るところから始めました。

一通り話を聞いたところで、

「では、現地で打ち合わせをしましょう」

ということになりました。

看板は、やっぱり現地を見ないと分からない

後日、現地へ行きました。

まず建物を見る。

少し離れたところからも見る。

近づいて、看板を取り付けられそうな場所を見る。

入口まわりを見る。

壁面を見る。

寸法も測ります。

現場で簡単なスケッチを描いて、そこに寸法を書き込んでいきます。

きれいな図面ではありません。

あとで自分たちが分かればいいので、手書きでどんどん数字を書いていきます。

写真も撮ります。

看板は、パソコンの画面の中だけでは分からないことがあります。

同じ大きさの看板でも、建物によって見え方は違います。

道路との距離も違う。

入口の位置も違う。

周囲の環境も違う。

高いところに付けるなら、施工方法も考えなければなりません。

だから、看板製作から設置・施工まで行う案件では、私は現場を見ることを大切にしています。

看板の現地調査は、寸法を測るだけではありません。建物や道路からの見え方、設置場所、周囲の環境、施工条件などを確認するために行います。

「普通の看板では嫌なんです」

現地で話を聞いていると、面白いことが分かりました。

実はこのお客様、すでに別の看板会社から提案を受けていたんです。

「いくらくらいの見積もりだったんですか?」

と聞いてみました。

300万円から500万円くらいだったそうです。

かなりの金額です。

それでも、発注しなかった。

理由を聞くと、

「看板が普通すぎて気に入らない」

ということでした。

なるほど。

そこで、私に相談してくれた理由も分かりました。

社長さんは、私が以前書いた看板の本をAmazonで3冊買って、読んでくれていたそうです。

ホームページもしっかり見てくれていました。

そして、

「I LOVE 歌舞伎町の仕事はすごいですね」

と言われました。

そこまで見てくれていたんだ、と少し驚きました。

さらに話を聞いていくと、この社長さんが求めているものが見えてきました。

「地域のランドマークになるような看板を作りたい」

それなら、そこを目指した提案を考えます。

一枚の看板だけを考えるわけではない

現地を見ながら、どこに何を付けるかを考えました。

建物正面の欄間部分については、二つの方向から提案することにしました。

一つは、トリックアート。

もう一つは、造形を使った看板です。

エントランスには社名看板。

建物に向かって右側の壁面には、タペストリーを設置する案です。

一枚だけ、

「ここに看板を付けましょう」

ではありません。

建物全体を見ながら、それぞれの場所で何ができるかを考えていきます。

以前の記事で「看板は一枚で働かせない」と書きましたが、まさにそういう考え方です。

看板には、それぞれ役割があります。

遠くから存在に気づいてもらう看板。

会社や店舗の名前を伝える看板。

近くまで来た人に詳しい情報を伝えるもの。

一つの建物でも、場所によって役割を変えて考えることがあります。

 

提案まで2週間ください、とお願いした

今回は、その場ですぐに提案を決めるのではなく、

「提案まで2週間ください」

とお願いしました。

地域のランドマークになるような看板を作りたいという希望がある。

だったら、こちらもきちんと考えたい。

トリックアートにするなら、どう見せるのか。

造形看板にするなら、何を形にするのか。

建物全体とのバランスはどうするのか。

考える時間が必要です。

提案を急げば、いい提案になるとは限りません。

得意な人に任せる

今回は、トリックアートの案と造形看板の案を出すことになりました。

そこで、それぞれ別のデザイナーにお願いしています。

トリックアートを考えるデザイナー。

造形看板などを考えるデザイナー。

それぞれに、私がお客様と話した内容を伝えました。

どんな事業をしているのか。

移転に伴う看板であること。

すでに他社から提案を受けていたこと。

でも、普通すぎて気に入らなかったこと。

そして、

「地域のランドマークになるような看板を作りたい」

という希望。

そこまで伝えます。

ただし、デザインそのものについては、私は細かく指示しません。

デザイナーのセンスを信じて、お任せします。

そのために、それぞれの分野を得意としている人にお願いしているからです。

私はデザイナーではありません。

私の役割は、お客様の話を聞き、何を求めているのかをつかんで、適切な人につなぐことでもあります。

これは、前回の「看板デザイン」の記事にも書いたことにつながります。

 

提案と見積もりは一緒に出す

デザイン案ができたら、提案書にまとめます。

そして私の場合は、基本的に提案と見積もりを同時に出します。

どんなに面白い看板でも、実際に作れなければ意味がありません。

当然、予算もあります。

「こんな看板はいかがでしょう」

と提案する。

同時に、

「この内容なら、このくらいの金額になります」

と見積もりも出す。

デザインと金額の両方を見て、お客様に検討していただきます。

この記事を書いている時点では、今回の案件はここまでです。

これから実際の提案を行います。

さて、どちらの案が選ばれるのか。

私もまだ分かりません。

「お願いします」となったら、すぐ製作ではない

ここから先は、今回の案件そのものではなく、私たちが通常行っている看板工事の流れです。

提案と見積もりを見ていただいて、

「この内容でお願いします」

となったら、正式な受注です。

新規のお客様の場合、社内では新規契約と顧客登録を行います。

また、できるだけ発注書もいただくようにしています。

初めてのお取引の場合は、基本的に先払いです。

金額が大きい案件では、半金を着手金としていただいて進めることもあります。

看板は、注文を受けてからそのお客様のために作るものがほとんどです。

だから、発注内容や金額をきちんと確認してから進めます。

正式発注後、デザインをブラッシュアップする

発注をいただいたら、デザインも正式に着手します。

提案した案をベースに、さらにブラッシュアップしていきます。

お客様にも確認していただきながら、細かな部分を詰めていく。

そして最後に、

「このデザインで製作してください」

というところまで持っていきます。

これを「校了」といいます。

看板は、大きなものになれば製作するだけでもかなりの費用がかかります。

一度作ってから、

「やっぱり文字を変えたい」

となると簡単ではありません。

だから製作に入る前に、デザインをきちんと確定させます。

校了したら、いよいよ看板製作へ

私は東京営業所にいます。

本社は名古屋です。

デザインが校了したら、社内のデザイナーが製作を回してくれます。

ここから先は、実際のモノづくりです。

看板といっても種類はいろいろあります。

平面の看板もあれば、切り文字もある。

照明を使うものもある。

立体看板もある。

当然、作り方はそれぞれ違います。

その仕様に合わせて製作を進めていきます。

一方、東京での現場施工については、私が協力会社さんに手配します。

施工日を決める。

現場によっては高所作業が必要になる。

電気工事が絡むこともある。

道路上で作業する場合には、必要な手続きが出てくることもあります。

そういうことを一つずつ整えて、ようやく施工の日を迎えます。

 

看板は、最後に安全に取り付けて完成する

看板の仕事というと、どうしてもデザインが注目されます。

でも、私は看板屋の仕事でとても大切なのは、

安全に、事故なく設置すること

だと思っています。

どんなに格好いいデザインでも、どんなに面白いアイデアでも、安全に取り付けられなければ看板として成立しません。

看板は屋外に付くものも多い。

雨も降ります。

風も吹きます。

何年もそこにあり続けます。

だから、製作して終わりではありません。

最後にきちんと施工して、初めて一つの仕事が完成します。

現地に行かず、ZOOMだけで完結する仕事もある

ここまで、製作・施工まで行う看板を中心に書いてきました。

ただし、すべての仕事がこの流れになるわけではありません。

私の場合、トリックアートの仕事も多くあります。

トリックアートについては、デザインだけをご依頼いただく仕事もあります。

この場合、現地には行きません。

ZOOMで打ち合わせをして、必要な写真や寸法などの資料をいただければ、デザインを進めることができます。

つまり、

一度も訪問せず、ZOOMだけで完結する仕事もある

ということです。

遠方だから相談できない、ということでもありません。

製作・施工まで依頼される看板と、デザインだけのトリックアートでは、仕事の進め方が違うんです。

 

看板作成について、よくある疑問

最後に、看板作成を検討している方が疑問に思いやすいことを、簡単にまとめておきます。

作りたい看板が決まっていなくても相談できますか?

もちろん大丈夫です。

作りたい看板がすでに決まっている場合は、その内容を聞いたうえで話を進めます。

一方で、今回のように、

「看板について相談したい」

という段階から始まることもあります。

どちらでも大丈夫です。

まだ具体的に決まっていない場合は、まず事業のことや看板が必要になった理由などを聞きながら、方向を考えていきます。

問い合わせでは、どこまで詳しく書けばいいですか?

決まっていることがあれば、できる範囲で書いていただければ十分です。

作りたい看板の種類。

設置したい場所。

大きさ。

希望するイメージ。

写真や図面。

そうした情報がすでにある場合は、もちろん参考になります。

一方で、まだ何も決まっていなければ、その状態から相談していただいても構いません。

お問い合わせの内容によって、その後の進め方も変わります。

看板の見積もりを出すには、何が必要ですか?

看板の大きさ、種類、素材、設置場所、施工方法などによって価格は変わります。

そのため、製作・施工まで行う看板では、現地を確認してから見積もりを出すこともあります。

私の場合は、基本的に提案と見積もりを一緒に出します。

「この看板なら、このくらいの金額になります」

というところまで見てもらったうえで、検討していただきます。

看板を作る場合、必ず現地調査が必要ですか?

必ずではありません。

製作・施工まで行う看板の場合は、建物の状態や寸法、周囲からの見え方、施工方法などを確認するため、現地を見ることが多くなります。

一方、トリックアートのデザインだけをご依頼いただく場合などは、ZOOMで打ち合わせをして、写真や寸法などの資料をいただくだけで完結することもあります。

看板作成は、お客様によってスタート地点が違う

今回のお客様は、

「看板について相談したい」

という問い合わせから始まりました。

ZOOMで話を聞いてみると、移転に伴う看板の相談だということが分かりました。

さらに現地で話を聞くと、すでに他社から提案を受けていることが分かった。

でも、

「普通すぎて気に入らない」

そして、話を聞いていくうちに、

「地域のランドマークになるような看板を作りたい」

という希望が見えてきました。

一方で、最初から作りたい看板が決まっているお客様もいます。

かなり詳しい資料を送ってくださる方もいます。

だから、看板作成には、

「必ずここから始まる」

という一つの形があるわけではありません。

大切なのは、そのお客様が今どこまで決まっているのかを知ることです。

決まっているものがあれば、それをもとに進める。

まだ決まっていなければ、話を聞きながら考えていく。

今回の案件では、話を聞いていく中から、

トリックアート。

造形看板。

という二つの方向が見えてきました。

お客様によって、看板づくりのスタート地点は違う。

私は、その地点から一緒に考えていきます。

看板製作費用

トリックアート製作
税抜30万円~
(デザイン費用)
立体看板製作
税抜20万円~
店舗看板製作
税抜10万円~
顔はめパネル製作
税抜5万円~
(アルミ複合板の場合)
フォトスポット製作
税抜10万円~
(デザイン費用)
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